本章は、前回の集団が謎の事件により消滅。
全ての歴史が、今再び甦るのであった。
第一話
甦る勇者達
あれは、いつのことだろうか。
伝説の呪文の暴走・・・あれが、全てのはじまりだったんだよね。
でも、どうしてあんな事に・・・
「姫、もう包囲されています、この地下水道からお逃げ下さい!」
「嫌です、父上を置いてそんな事はできませぬ、恥をかく位なら、この命投げ出してでも、最期まで闘います!」
「いけません、それでは我が国は・・・」
「そうです、姫と、この国一番の剣士、アレンが一緒に諸国を回り、説得に回ってくれれば再起できるかもしれないのです。」
「しかし、それでは父上が・・・」
「ええい、仕方ない、アレン、姫を。」
アレンは姫に当て身をくらわせ、姫をそのまま担いで舟に乗った。
「頼みましたぞ、アレンよ・・・」
大臣はかすかな希望を二人に託した。
「大臣、敵に見つかりました!」
「むぅ・・・ここまでかっ!」
「大臣、参土守(さんどのかみ)、そちの悪行もこれまでだ。」
ちゃ〜らちゃ〜〜ちゃちゃ〜ちゃちゃ〜
「無礼な、人の屋敷に無断で入るとは。何やつ!皆の者、であえ、であえ〜っ!」
「俺は天下の風来坊、徳田新之助だ。参土守よ、悪事に目が眩み、主の顔も忘れてしまったのか。」
「何だと?・・・う、上様〜っ!」
「参土守よ、庶民の血と汗で賄われた金を、私腹を肥やすのに使うとは何ごとだ、その上罪のない長兵衛を闇討ちにして葬るとは
・・・許せん、成敗してくれる!」
「むぅ・・・もはやこれまで。皆の者、こいつはただの浮浪人じゃ、斬れ、斬り捨てい!!」
徳田新之助は刀を抜いた。そして、スチャっと構えた。
チャ〜ラ〜チャ〜〜チャチャチャチャチャチャチャ〜チャ〜チャ〜
あっという間に数十人の兵を峰打ちにして倒す。そして、どこからともなく御庭番と思われる二名が加勢して、既に残るは
大臣一人になってしまった。大臣も剣を構えるが、腕が違い過ぎ、斬られてしまった。
「姫・・・後を、後を頼みましたぞ・・・ぐふっ。」
大臣は息絶えた。
「はっ・・・」
「姫、お気付きになりましたか。」
「ここは・・・?」
「ここはアブダル帝国への途中の道ですよ。」
「まさか・・・私、もしかしてずっと・・・」
「大丈夫ですよ。目が覚めぬよう、そっとここまで抱えて参りましたから。」
「そ、そうでしたか・・・」
「姫、お顔が赤いですが・・・大丈夫ですか?」
「いえ・・・何でもありませぬ。」
「そうですか・・・ならよいのですが。」
「あの・・・下ろして頂けます?」
「あ、これは申し訳有りません。」
「いえ、よいのです・・・」
「しかし・・・ここから先、どう行けばよいのやら・・・はっ!」
アレンは前をみると、夫婦が道を歩いている。
「済みませんが、経験値とお金の為に、二人には死んでもらいましょう。」
「アレン!いけません、そんな事をしては・・・」
「しかし、我々には金がありません。ここで二人をみすみす逃しては、我々は飢えて死んでしまいます。」
「ですが・・・」
「大丈夫です。相手を無力にすれば・・・では姫、ここでお待ちを。」
アレンはふたりに駆け寄った。
「さぁ、金を出しなさい。そうすれば命までは取りません。」
「いけませんなぁ・・・刀を無闇に振るっては。」
相手の男はそう言った。
「私は国内でも随一の腕前の剣士、アレンである。素直に要求を飲んでもらいたい。」
「私達だって路銀はないのですよ。済みませんが、御自分で働いてはいかがでしょう。」
「おのれっ!こうなればその命!もらいうける!」
アレンが剣を振るよりも早く、その男は刀を抜き、金属音が鳴り響いた。
その男は刀を巧みに動かし、アレンの手から剣を払い飛ばしてしまった。
そして、為す術を無くしたアレンに刀をつきつける。
「武芸と言うのは、勝つためにあるものではありません。負けないために有るのです。勇気があるものが強いかと言えばそうでもなく、
憶病者であっても、強い物にまけない勇気があるものなのです。ですから、そんな山賊みたいな事をしないで、旅の中でも
何か仕事を探して、それで得た金で暮らせればそれでよいではございませんか。さ、たよ、参りましょう。」
「はい、あなた。」
その夫婦はそのまま去って言った。
言葉に何かを受けたのか、アレンはしゃがみ込んだまま動かなかった。
と言う訳で、大魔術師、グレイロードは、ロード・リブラスルスとロード・カオスの二つの存在に分かれてしまった。
人の持つ善と悪が分かれる事により・・・世界は崩壊の危機に瀕してしまったのである。
さて、リブラスルスは一番の弟子、セロンに全てを託す事になったのである。
だが、セロンも事故に巻き込まれ、その肉体を失っていた。
「セロンよ・・・勇者を甦らせるのだ・・・そして、ロードカオスを・・・」
「はい、かならずや・・・って、私じゃなくても・・・」
「いいや、おまえだ。」
「ですが、私なんかよりも・・・」
「いいや、おまえだ。」
「しかし・・・」
「いいや、おまえだ。」
「この際、やはり事件を巻き起こした罪を購うためにも・・・」
「いいや、おまえだ。」
「世界を本当に救うには・・・」
「いいや、おまえだ。」
「わかりましたよ・・・そこまで言うのでしたら・・・では行って参ります。」
「(・・・喉の調子がおかしいから復音呪文で応対してしまったが・・・なんかあったのかね?)」
※ここから先が本当のシナリオです。
漆黒の洞窟に、一人の幽体が入った。厳密には精神体、と称するべきなのであろうが、どちらでも結局似たような物である。
セロン:もう・・・めんどくさいなぁ・・・そういえば昔、なんだかんだでここに入った気もするのは気のせいなのかな?
気のせいなわけがなかろう。お前はただ歴史を繰り返している事に気がついていないのだ。
セロン:なんかうるさいし・・・誰も気配がしないのに・・・
だからナレーションの声までいちいち気にしなくていいというのに。今回は私の正体は不明と言う事になってはいるがな。
セロン:全く・・・なんでこんなにややこしい作りになっているんだろ・・・めんどくさいなぁ。
全く・・・プレイヤーが基本操作を身に付けるためにわざわざこういう構造にしておるのだ。
セロン:あったあった・・・勇者の館。
ようやく辿り着いたか。
セロン:えっと・・・今日の買い物リストによると・・・
待て待て待て、なして勇者が買い物リストなんぞに・・・
セロン:リーフに、ソンヤに、あとはナビにティギーか・・・
ふむ・・・ある程度は考えているようだが・・・それにしてはちょっと風変わりだな。
セロン:さて・・・全員転生っと。名前はあえてそのまま。
まぁ・・・歴史は繰り返すと良く言った物だが、本当に・・・蘇生させるやつ以外はやってる事一緒だぞ。
セロン:さあみんな、起きて起きて起きて、これから楽しい冒険が始まるよ。
リーフ:・・・・・・
セロン:(なんか静かな人だなぁ・・・)
ソンヤ:五月蝿い坊やだね・・・二日酔いなんだからちょっと静かにしてくれない?
セロン:(ぼ、坊や?それに・・・二日酔いって・・・鏡の世界に閉じ込められていたんじゃ?)
ナビ:ふむ・・・神は再び私に使命を与えたか。
セロン:(私は神じゃないんですけど・・・)
ティギー:なに?今度はお化け?やだなぁ・・・
セロン:(お化けか・・・半分は合っているけど・・・)
リーフ:・・・済まんが、どうやら俺は記憶を失っているらしい。今の状況を教えてはくれないか。
セロン:えっとですね・・・とにかく、世界が大変な事になっているので、とりあえずあなた方に折り入って頼んでるのです。
世界を救うためにあなた方に協力してもらおうと・・・
ソンヤ:なに?世界を救うの?なんだかめんどくさそうだね・・・ともかく、あたい達は何をすればいいのさ?
セロン:かくがくしかじかと申しまして・・・"ファイアー・スタッフ"を取って、ロードカオスと呼ばれる存在をどうにかして
調和をもたらせばいいんです・・・簡単じゃありませんか・・・ねぇ?
ナビ:それは構わぬが・・・果たして簡単に上手く行くかの?
ティギー:なんだか私、昔にここでひどい目にあった気がするんだけど・・・気のせいかしら?
セロン:!!あれ・・・転生させたのになんでちょこっとだけ記憶が残っているんだろ・・・まだまだ未熟だったかな?
リーフ:ともかく、先を急ぐとしよう。
セロンが案内した先には、プレッシャー・プレート(重さに反応して動くスイッチ)と、鉄格子があった。
リ−フ達がそれを踏むと、鉄格子は音を立てて上がった。
セロン:あ、そうそう、食料や武器などは大切に拾って下さいね。それから巻き物はちゃんと目を通して下さい・・・あれ?
ナビ:これも神の思し召し・・・っと(食料などを拾っている。)
リーフ:たいまつ・・・あまり必要とも思えん。革袋は拾っておくか。
ソンヤ:奥に食料庫があったよ。
ティギー:なんだ、私でも知ってる事しか書いてないじゃない。(巻き物を手に取って読んでいる。)
セロン:・・・みんなが私を無視する・・・ふっ、世の中なんてそんなものさ。
-地下二階-
リーフ:なるほど、マミーとスクリーマーの巣窟と言う訳か。
ティギー:マジックトーチを掛けて練習練習♪
ソンヤ:魔法なんてマナがなくなったら何にもできなくなるじゃない・・・やっぱり生き延びるためには力よ。
ティギー:ふふっ・・・大丈夫よ。
セロン:(何となく恐いんですけど・・・)
ナビ:まずは実力をつけるために訓練しよう。
そしてセロンは出番なく訓練が始まったのである。
リーフ:まぁ、序盤はこの程度でいいだろう。さて、いくぞ。
ナビ:まず最初のマミーは、軽く物でも投げ付けてっと・・・うりゃっ、棍棒にファルチオンの剣!
ティギー:おじーちゃん、すごーい!
ナビ:いや、そんなに歳食っちゃおらなんだが・・・いやぁ、照れるのぉ。
ソンヤ:照れるような歳でもないだろうに・・・全く、こんなんじゃ先が思い遣られるよ。
リーフ:・・・行くぞ。
セロン:結局、私が何もアドバイスできないまま、あっさりと攻略したのでありました・・・ただ、ひとつだけ。
ナビ:おや、ここは確か突っ走ると戸が降りて来るところじゃな。さて、駆け抜けるぞ。
セロン:まぁ、駆け抜けるのは結構なんですけど・・・
リーフ:!!スクリーマー!止まれっ!
がこん。
ティギー:いったぁ〜いっ!なによ、もう。
リーフ:見ろ。下りる戸のすぐ奥にスクリーマーがいやがったんだ。
ソンヤ:しょうがないねぇ・・・私の剣術を見せてあげるよ。やあっ!
ソンヤの気迫の篭って振り下ろされた剣は、見事戸を叩き切った。
ソンヤ:最初からこうすれば良かったんじゃないか。
ティギー:もうっ!ファイアーボールでおしおきよっ!
セロン:・・・とまぁ、こんな感じでして・・・いやはや、仲が良いのか悪いのか、難しい所でございます。
ですが、なんだか私、影が薄いですよね・・・ふぅ・・・
セロンが何やら五月蝿いが、ともかく無事に攻略できてよかったではないか。少しは奴等を誉めてやってもよかろうに。
というわけで、今回はここまでとなる。内容が短いが、プレイ時間そのものが短かったのだ。
ではまた次回・・・会えればよいな。くっくっく・・・
今回の勇者達データ
リーフ
(冷静沈着で、あまり多くは語らない。) ヘルス:186 スタミナ:144 マナ:23 強さ:58/58 機敏さ:49/49 賢さ:44/44 生命力:55/55 耐魔法力:49/49 耐火力:50/50 ファイター ジャーニーマン ニンジャ ジャーニーマン プリースト アプレンティス ウィザード ネオファイト 持ち物: レザーチョッキ、レザーズボン、レザーブーツ、 空フラスコ×3、棍棒、矢、短剣、 スクリーマーの肉×2 箱 (スクリーマーの肉×3、パン×2、チーズ×2、もも肉) |
ソンヤ
(勝ち気な性格で、魔法不審なところがある。) ヘルス:183 スタミナ:149 マナ:21 強さ:64/64 機敏さ:60/60 賢さ:42/42 生命力:54/54 耐魔法力:45/45 耐火力:45/45 ファイター ジャーニーマン ニンジャ ジャーニーマン プリースト ジャーニーマン ウィザード なし 持ち物: ダブレット、レザーズボン、レザーブーツ、バックラー くびかざり、短剣、革袋×2、りんご、空フラスコ スクリーマーの肉×5、ファルチオンの剣 箱 (もも肉、とうもろこし、チーズ×2、パン×2、 りんご、魔法の箱) |
ナビ(リーダー)
(後ろでぶつぶつ呟く事が多い、信仰心が高い?) ヘルス:174 スタミナ:139 マナ:43 強さ:50/50 機敏さ:45/45 賢さ:53/53 生命力:50/50 耐魔法力:61/61 耐火力:58/58 ファイター ジャーニーマン ニンジャ ジャーニーマン プリースト アプレンティス ウィザード アプレンティス 持ち物: チュニック、青色ズボン、レザーブーツ、杖、 空フラスコ、手裏剣×3、石、りんご、 スクリーマーの肉×12 |
ティギー
(最年少だが、魔法に関しては今の所トップクラス) ヘルス:145 スタミナ:99 マナ:64 強さ:40/40 機敏さ:54/54 賢さ:58/58 生命力:42/42 耐魔法力:67/67 耐火力:45/45 ファイター ジャーニーマン ニンジャ ジャーニーマン プリースト アプレンティス ウィザード アプレンティス 持ち物: 長衣、武道ズボン、サンダル、小型杖、巻物、 りんご、とうもろこし、ファルチオンの剣、魔法の箱 |
今回の冒険で活躍した行動
殴る(忍者スキル向上)
ときの声(戦士レベル+僧侶レベル(敵対時のみ)、一時期ナビがスクリーマーの肉を片手に行動していたらしい)
叩き切る(ストレスがたまったソンヤが戸を破壊する時に使用)
投げる(石、玉石、矢、短剣、サンダル、ホルター、黄金の鍵、ファルチオンの剣、棍棒、長衣、巻物等・・・)
マジックトーチ(灯火呪文・練習に使用)
スタミナ・ポーション(スタミナを回復させるのに使うが、今回はわざと失敗して経験値稼ぎに)
ファイアー・ボール(火球呪文・ティギーはかなり放った。)
ポイゾン・フォウ(毒矢呪文・スペルを間違えてしまったので誤魔化すようにつかったようだ。)